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  • 執筆者の写真51歳蟹座

読書

今年になってから何冊か読んだ本を紹介させて頂きます。


人新世の「資本論」 (集英社新書)/斎藤 幸平


NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」という番組を見て、何か自分も行動を起こそうと思ったものの、何から手をつければいいのやらという時に出会った一冊。


今の地球環境問題と資本主義は密接につながり(過ぎていて)、日本だけでどうこうする事も出来ない位に世界中、つまり地球規模でこの問題に真剣に取り組まないといけない危機感を強く感じました。


このコロナ渦によって、僕の価値観も大きく変わってきて、今まで以上に「丁寧に暮らす」事を意識していますが、移住を含めて、その考えをもう一歩前進させていかないのかもしれないと強く思った一冊でした。


 

僕自身が保育園を経営していた時は、目の前の子どもたちや家族の事で精一杯でしたが、近年の虐待など痛ましい事件を目にする度、その背景にある事を考え続けてきました。


日本には、さまざまな事由で保育園に通えていない子供が約10万人(2018年)います。


幼児教育の研究で有名な「ペリー就学時プロジェクト」では幼児期に教育プログラムに参加した子供と参加しなかった子供の長期追跡をしましたが、その結果、参加した子供は高校卒業率や就業率、さらに収入も高くなり、逮捕者率も低くなった事がわかっています。


言い換えれば、きちんと幼児教育に対して国が動き、税金が使われる事が未来の国作りにつながっていく。

 

「治療薬やワクチンのおかげでパンデミックが収束したとしても、パンデミック以前の世界の戻る事はありえない。」と始まる痛烈な書き出しから一気に読んでしまいました。


世界が元通りになる訳でない事をきちんと認識し、経済第一主義的な考えを前提とした行動ではなく、地球や国民全体の在り方を考え、未来の民主主義を作っていくという事に勇気をもらえた一冊でした。


これを読んでから”人新世の「資本論」”を読めば良かったと思いつつも、これが読書の面白いところですね。


 

日本の出生率は戦後間もない1950年前まで4.32でしたが、1989年には1.57になりました。

その原因は、当時はバブル絶頂期だった事から経済ではなく、「女性が安心して子供を産めない、育てられない認識」だった事から1991年には少子化報告の中で対策案が提言として出されました。


そこで書かれている対策案は男性の育児参加や家族時間の増加、子育て世帯の経済負担軽減だったりと今でも議論されているような事ばかりです。


あれから、30年も時間が過ぎ、問題が解決されなかった事を考えると、選挙で飛び交う教育という言葉があまりに空虚なものだと思わずにいられません。


 

「自分がうれしかったことを人にしてあげる」「自分がイヤだったことは人にしない」


誰からか忘れてしまっているけれど、小さい頃から教えられた言葉ですが、この歳でテキストとして再会した事が嬉しい。


「道をひらく/松下幸之助」の隣に置いて、ちょっとした時間にパラパラっとやりながら、まるで自分の言葉のように周りに話ています(笑)。

 
■今回の小ネタ(僕が面白いと思った何でもをチラリ)

「命の経済」で触れられていて、初めて知ったのですが2005年のオンライン仮想ゲームでこのコロナ渦を考えさせられる出来事が既に起きていたという話。


最後、どうなったのか?は触れませんが、興味深い話です。



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